例えば、『ももたろう』では、ももたろうはなぜおにに勝てたのか? 『さるかにがっせん』では、どうしてさるがやっつけられるのか? など、その理由がわかるエピソードがきちんと盛り込まれています。
桃の流れる“どんぶらこっこ ざんぶらこ”や、雪の落ちる“どすどす” といった擬音をたくさん使って、幼いお子さまへの読み聞かせが、 より楽しく、よりお話に親しみやすくなるよう工夫しています。
昔話は、心のオアシスです。 昔話と触れ合いながら、私たち日本人は、 生きる喜び、生きる勇気、生きる知恵を育んできました。 このたびあかね書房60周年を記念して、 幼い読者にも親しみやすい、見て楽しく聞いて心地よい 昔話のシリーズをこころがけました。 21世紀にふさわしい、新感覚の「むかしばなし」絵本です。
1937年東京に生まれ、広島県能美島で育つ。京都大学文学部卒業。児童書編集を経て、70年に処女作『かいぞくオネション』(偕成社)を出版。以後、幼年童話、長編創作、英、仏語の翻訳と幅広く活躍し、『海のしろうま』(理論社)で野間児童文芸賞、『はんぶん ちょうだい』(小学館)で小学館文学賞などを受ける。作品に『島ひきおに』(偕成社)『ふとんかいすいよく』(あかね書房)など多数。絵本の翻訳に「バーバパパ」や「カロリーヌ」シリーズなどがある。2004年紫綬褒章受章。熱海市在住。
ももたろうは、勇気あり力のある正義の味方。 いざ鬼が島へ!と出かけたら 供の者がどんどん寄ってくる! おや、それだけじゃないぞ「この人にお供をしたい」と 惹き付ける魅力的な人物でもあるんじゃないかしら・・・。 それから私はげんきもりもりきびだんごを食べて、 ももたろうを描かせていただきました。
『かさじぞう』のお話はとても雪の場面が多いので 「雪をどう描くか」が一番の課題でした。 最初は細い筆を使って、点描で雪を描いてみたのですが、どうも弱々しくて自然の荒々しさが出てきません。2、3枚描いて上手くいかないので、しばらくほっておきました。頭を冷やして今度は太めの筆で「えいやー」と描いてみましたら、ちょっと良い感じになりました。 毎回、絵を描き終えて思うのですが「本当にこの絵で良かったのか」 といつも不安になります。絵本の絵には正解が無いのです。 これは読者の方々のご感想をお聞きして、 自問自答し続けるしかありません。